沖縄離島巡り<久高島編> 神の島×奇跡×30分
ハイサイ!
皆さん、旅行に行ってますか?
僕は、寒い東京を抜け出し南国 沖縄に行ってきました。
11月ですが、この日の沖縄はあたたかく25℃くらい。
気持ちの良い風も吹いていて、沖縄最高!
今回の旅では、沖縄の離島巡り(有人島)を趣味に持つ後輩の
出羽君の付き添いをすることに。目的地は、久高島です!
【久高島データ】
所在 沖縄県南城市(本島東南端の知念岬から5.3km)
人口 200人ちょっと
海岸線長 8.0km
最高標高 17.5m
交通 南城市知念安座真(あざま)港より船で約20分
知念(ちねん)半島の東約5kmに位置し、周囲約8kmの小さな島。
琉球創世の神 アマミキヨが天から降りて最初に国づくりを始めたという、琉球神話聖地の
島であり、琉球王朝時代には神事がおこなわれていたため、神の島と呼ばれていました。
歴代の琉球国王は久高島参詣を欠かすことはなかったそうです。
久高島には、12年に1度、午年に行なわれる秘祭イザイホーに代表されるように
神秘的な祭事が行われるなど、民俗的に貴重な島となっています。
※久高島では沖縄の人間にとって特別な場所でなので、島に行くには注意が必要です。
沖縄本島から、船で約20分と至近で、沖縄随一のパワースポット!
これは行くのが楽しみだと思っていたら、今回の旅には落とし穴が・・・
それは、時間!
連休を利用したこともあり、多くのツーリストで賑わう沖縄において、
久高島も例外ではありませんでした。
朝から島に向う便に空きが殆どありません。
唯一、今日中に島を巡ってくるためには、
14時の便で向こうに渡り、15時の便で戻ってくること。
そうしないと島から戻ることも出来ず、宿もいっぱいで泊まることも出来ません!
我々に与えられた時間は1時間!
島に渡るまで20分。島の滞在時間がたった40分しかありません・・・
渡るべきか、渡らざるべきか。
私「出羽君、本当に行く気かい?」
出羽君「はい、行きます」
私「でも時間ないよ?」
出羽君「行きます!」
私「(そこまでの決意か・・・)わかった、じゃあどこ行きたい?」
出羽君「・・・島です」
私「・・・」
周囲8kmの久高島は、けっして大きくはありません。
しかし、たった40分でどこに行くべきだろうか?
島で一番古いとされている家 大里家(ウプラトゥ)や久高殿(ウドゥンミャー)、
久高島第一の聖域であるクボー御嶽(立入禁止区域)など、どれも魅力的なスポット。
でも、せっかく行くのであれば、その始まりの地からということで、
琉球の創世神アマミキヨが天から降りてきて国づくりを始めたとされる、
島北端のカベール岬に目的を絞りました。
しかし、カベール岬は島の北端。船が着く港は島の南端。
片道ゆうに3kmはあります。
滞在時間40分。片道20分。1km約6分半の計算です。
100mあたり約40秒。う~ん、それなら行けなくないかも・・・なんて無理です。
高校の時ならまだしも、20kgは増量された肉体と、
年に数回ゴルフをするだけの体力では、とても6kmを往復するなんて不可能。
そうだ!車で渡れば40分でも、何とかなるのでは。
早速、乗り場に向い、チケット売り場のおじさんに確認です。
私「車で久高島に渡りたいのだが船にのせられる?」
おじさん「料金高いけどのせられるよ、14時は」
私「14時は!?」
おじさん「15時便は車のせられないから明日だね」
私「・・・」
車案はココで絶たれました。
おじさん「あっちの島でレンタル自転車あるよ」
私「!!!」
早速、島にあるレンタル屋さんに電話したところ、
私「これから自転車を借りたいのですが」
お姉さん「今日はお客さんが多く、もう貸せるものがないわね~」
私「・・・」
そこから3件同じやり取りを繰り返し、ここでレンタル自転車案もボツに。
結局は、己の足に頼るしかない状況。
片道3km、往復で6kmを40分間で走破できるのか!?
私「・・・・・・・・・」
(考えること3分)
私「よし、行こう!これでも高校時代はスポーツマンとしてならした体!
気合入れれば6kmくらいなんとかなるでしょ!
(最悪、出羽君に頑張ってもらえればOKだ)」
おじさん「・・・で、チケット買うの?」
私「大人2枚ください!」
こうして久高島への旅がスタートしました。
さて、行くことは決まったので、着いてからのスケジュールを
打ち合わせしようと、発起人の出羽君を探していると、
出羽君「せんぱーい、海が綺麗っすよ」
私「君は、俺が手配している間いったい何をしてるんだい?」
出羽君「水も綺麗だし凄くあたたかいので、海に飛び込めそうですよ」
私「(全く人の話を聞いてないな)じゃあ飛び込んだら?」
出羽君「そうですね、ちょっと入ってきます」
私「はっ?」
私「(マジかこいつ!?)」
私「出羽ぁ~~~~~っ!」
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私「・・・(怒)」
私「やっぱり落ちてよし!」
出羽君「痛い、痛い、やめてください、本当に落ちますよ(慌)」
と、茶番はココまでにして本編に戻ります。
僕らを島まで連れていってくれる船は「フェリーくだか」です。
『フェリーくだか』
総トン数 49トン
航海速力 14ノット
所要時間 20~25分
就航年月 平成14年2月
旅客定員 80名
車両 4台
<運行時間>
◆安座真港→徳仁港 ◆徳仁港→安座真港
1便 09:00 高速船 1便 08:00 高速船
2便 10:00 フェリー 2便 09:00 フェリー
3便 11:30 高速船 3便 11:00 高速船
4便 14:00 フェリー 4便 13:00 フェリー
5便 15:30 高速船 5便 15:00 高速船
6便 17:30(夏期) 17:00(冬期) 6便 17:00(夏期) 16:30(冬期) フェリー
<料金>
大人 片道 670円 往復 1280円
小人 片道 340円 往復 650円
車 片道 4620円 往復 8780円(3m以上4m未満)
※高速船の「ニューくだかⅢ」はこれよりちょっとだけ高いです。
<HP>
http://kudakakaiun.web.fc2.com/index.html
早速、乗り込み出発を待ちます。
船は観光用というよりは、島民の足として利用されている感じで実用重視です。
14:00 安座真港を出港
あっというまに港を出て、本島を離れていきます。
私「さあ、降りたらダッシュで岬に向うぞ」
出羽君「了解しました。僕は足には自信があるんです!任せて下さい!」
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・(5分後)
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出羽君「先輩、酔ったみたいです・・・」
私「はっ!?なに言ってるの?これからだよ?」
出羽君「気持ち悪いので、休んできます」
私「・・・(こいつは何しにきたんだろう?)」
たしかに、この日は波が高く船が揺れていました。
そして、この波の高さが計画を大きく狂わしていきます。
島がだいぶ近くに見えてきました。
時間は現在14:20・・・!?あれっ、未だ海の上。
14時に出発し20分で到着するはずが、まだ島が先に見えますけど。
私「20分で到着のはずでは?」
船員さん「波が高くて遅れてるね、でももうすぐ着くよ」
私「!!!!」
我々には到着後40分しかなかったのに、さらに滞在時間が短縮される事態に。
さらに窮地に陥った我々にもう残された道は無いのか・・・
考えがまとまらないうちに、いよいよ船は久高島の徳仁港に到着します。
14:30 久高島到着
残り時間で計算し直すと、滞在時間30分。
岬までは片道15分。1km約5分の計算です。
100mあたり約30秒。もはや、俺には世界記録を出せと言われているレベル。
だけど、ここまで着たらからには、行ける所まで行くしかない!
私「出羽君、酔ってる場合じゃない!船の扉が空いたら全速力で岬に向うぞ!」
出羽君「(マジですか?)了解しました・・・」
私「走れ、出羽君!」
出羽君「はいっ!」
私「(お~、さすがに若いから早いね!)」
私も頑張りましたが、全くついていけません(笑)
後は、出羽君の頑張りに期待するしかないと、
遠くから彼の成功を祈ろうと思っていた矢先、目に飛び込んできたのは、
港近くの売店のようなお店。そこには、電話で無いと言われていた自転車が、
何台か並んでいるじゃありませんか。
『さばに』
レンタサイクルの他にも食堂をやっていて、定食なども頂けるそうです。
電話:098-948-3893
レンタル料金:
私「出羽ぁ~っ、商店に行って借りれる自転車が無いかもう一度確認してくれ!」
※既にスタートから100m以上引き離されていますので、大声で叫んでいます。
出羽君「先輩~!自転車が借りれました!!」
なんと、午前中に観光して早めに返却した方がいたみたいで、
自転車が借りれることに、しかも電動!!
これで、岬までいける可能性が出てきました。
まさに奇跡!さすが神の島!
14:36 自転車を借りて再出発
自転車を借りれましたが、残り滞在時間は24分間。
残りの半分の時間で引き返すとして、14:48には最悪でも
戻り始めないと、野宿決定です。
私「出羽君!死ぬほど漕げ!!」
出羽君「はいっ!!!」
ココからは出羽君に疾走シーンと島の風景をお楽しみください。
ここまで走って約5分、島の約半分を過ぎたところまで着ました。
さすがの出羽君も疲労の色が隠せません。
しかし、我々には歩みを止めるわけにはいかないのです。
皆さんに、久高島の聖地をお見せする使命感と、この島で野宿しなければ
ならなくなる絶望感が、僕らの背中をさらに押します。
私「出羽君!このままココに残りたくなければスパートだ!」
出羽君「はいっっ!!」
ここからまた出羽君の疾走と、久高島の風景をお楽しみ下さい。
そして、14:45 やっと到着しましたカベール岬!!!
神が降り立ったとされる地は、沖縄本島から近いのにより澄みきった空と緑に輝く海が広がり、
もし時間があるのであれば、ここでのんびり1日過ごしてみたくなるような、
静寂のなかにどこか優しさを感じさせ、謙虚な気持ちにさせてくれる優しいところでした。
(到着から3分経過)
私「さあ出羽君、帰るぞ!」
出羽君「えっ!?」
私「今、何分だ?」
出羽君「・・・14時48分です(驚)」
私「すぐに戻らないと船行ってしまうぞ!」
出羽君「急ぎます!!」
そして、来た道を再び全力疾走で戻ります。
ここから、三度疾走する出羽君と久高島の風景をお楽しみください。
※行きと似た画像が続きますが、同じ写真は使っておりません。
そして戻って着ました、出発地点!
すぐに自転車を返却です。
時計を見ると14:57。3分残してなんとか戻ってきました!
残すは港まで!ココから最後のダッシュです。
私「急げ出羽君!なんとか船を捕まえるんだ!」
出羽君「はいっ!!」
出羽君「あれっ?」
私「んっ!?船いなくないか?まさかもう行ってしまった!?」
出羽君「・・・」
まさかここまできて野宿をしなければならないのか・・・
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・(落ち込んで佇むこと10分)
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出羽君「先輩!みてください!」
私「お~~~~っ!」
忘れていました、ここが沖縄だってことに。
沖縄タイムだったわけです。10分くらいはなんくるないさ~です!
結果的に見れば余裕がありました。
15:15 徳仁港を出発
我々はあの短時間で端から端までを駆け抜けた達成感と、全力でペダルを
漕ぎ続けた疲労感を土産に、久高島を後にしました。
私「(また来るね久高島、今度はゆっくりと!)」
出羽君「うぅ~~、気持ち悪い(また酔いました)」
完
※本文には若干脚色された部分があることご了承下さい。