“NODOGURO”&”chaccha”in NIIGATA
3/20(金) [DAY 1] "NODOGURO"を追う
夜8時過ぎ。
新幹線で東京から2時間ちょっとで新潟へ到着。
3月下旬とはいえ、
電車のドアが開くと自然に出てくるお約束の一言。
寒っ・・・
地元民は『今日は特別寒い』と言い張るが、
おそらくいつもこんなものだろう。
東京の真冬の寒さとも違い、
肌にチクチクと刺すような寒さ・・・
さすが新潟・・・
かつて新潟に約4年間、転勤でこの地に過ごした私は、
不覚にもこの寒さが懐かしく、
逆にテンションが上がってしまった。
そしてチェックインした駅前の宿のフロントで
『近くに"NODOGURO"のある店はありますか?』
とたずねるや否や、
男性フロントマンが周辺地図に
すらすらと4箇所に印を付けてくれた。
相当な酒好きとみた。
そのうち“最もお勧め”の一軒にターゲットを絞り、
すぐに出発。
駅前の飲み屋街へ早歩きで向かう。
すぐに目当ての店は見つかったものの、
土曜の21時前にもかかわらず、
休み・・・
さすが新潟・・・
芸能人もお忍びでよく来るというそのお店は、
すこぶる殿様商売である。
仕方なく第二候補の宿へ向かう途中、
かつてはなかった新しい店を発見。
今日のお勧めメニューを見ると、
"NODOGURO"
と書いてあるではないか。
迷わずそのまま入店。
とりあえずのビールと共に、
"NODOGURO"の塩焼きを注文。
ところで、"NODOGURO"とは、
普通『のどぐろ』と書き、
通称『アカムツ』のことを新潟では『のどぐろ』という。
体は赤いのに、口内の後部が黒いことからそう呼ばれる。
脂がのって大変な美味だが入荷量が少なく、
もっとも高値がつく魚のひとつといわれ、
地元新潟の人もめったに口に出来ない超高級魚である。
しかしながら、体長30~40センチはあろうかという
"NODOGURO"の半身の塩焼きが、なんと1,890円・・・
怪しい・・・
東京では5,000円は軽く超えるであろう代物が、
いくら『今日のお勧め』だからといって、
そんなことが本当にあるのだろうか・・・
しかし、ほかのメニューも安い。
実に安い。
立派な『さざえの刺身(肝付)』367円・・・
お頭付の『いわしの刺身』399円・・・
さすが新潟・・・
全てが安い・・・
そして・・・
当然ながらすこぶる美味い・・・
『さざえ』や『いわし』を我を忘れてがっついていると、
ついに真打の"NODOGURO"が登場。
やや緊張しながら口に入れた途端、
思わず、悶絶してしまった。
一心不乱に食べ続けると、
いい具合に入った上質の油分により、
上質の満腹感に満たされた。
来て良かった・・・
大満足のうちに1日目が終わる。
3月21日 [DAY2] "CHACCHA"
"CHACCHA"探索の前に、
まずは新潟で最もお気に入りだった海岸線の道を通って、
新潟市から県内でも代表的な漁港、寺泊に向かう。
新潟では珍しい青空の下、
久々の日本海を眺めながらのドライブを満喫。
そして1時間かそこらで寺泊港近くの魚市場に到着。
ここでも小型ながら、昨日堪能した"NODOGURO"を発見。
こうして見ると、わりとかわいい・・・
しかしなんといってもここ寺泊でのメインは
【100円カニ汁】。
カニ足のしっかりと入ったカニ汁が、
たったの100円である。
安いぞ・・・
新潟・・・・
行列はあるものの、
丁度いいタイミングで並べた為、数分でゲット。
正直、朝のホテルバイキングで頑張り過ぎ、
いまだ満腹ではあったものの、
コストパフォーマンス最高の一杯だった。
十分に寺泊を満喫し、本日最大の目標である
"CHACCHA"を求め、三条へと向かう。
ところで、"CHACCHA"とは、
10数年前に東京でもブームになった
背油がスープの表面に浮いている
『チャッチャ系ラーメン』のことである。
知らない方も多いが、
その元祖は新潟の『三条燕系』といわれるラーメンである。
このラーメンが誕生した背景には、
『豚』と『雪』が関係しているという。
元々新潟は全国有数の豚肉消費量を誇り、
肉でも脂でも、みんな『豚が大好き』である。
そして雪中を出前でラーメンを運んでも冷めにくいようにと、
スープの表面をどこにでも豊富にある豚の背油で覆い、
麺も伸びにくいように『極太』となり、
この『チャッチャ系』ラーメンが誕生した。
現在、この『三条燕系』ラーメンの元祖の店が3店ほどあり、
店主は皆親戚同士であるそうだ。
今日はその中でも特にお気に入りの
『いこい食堂』を目指した。
1時間ほどで三条についたものの、
最後に行ってから6年のブランクは大きく、
店の場所がなかなか思い出せない。
結局三条市内をグルグルとさらに1時間ほどさまよい、
やっとのことで『いこい食堂』を発見。
そして足早に入店。
この『三条燕系』ラーメンは大抵、
『油なし』
『中油』
『大油』
等、油の量の調節が可能だが、
かつて新潟で過ごした4年間のうちに
8キロも体重が増えた最大の原因は、
この『大油』によるところが大きかったのだが、
せっかくなので、ここは迷わず『大油』を注文。
写真手前が『大油』で、奥が『中油』。
その差は歴然である。
しかしスープは魚系のダシが強く、
さっぱりとしている為、
全体としては以外に重くはなく、難なく完食。
大満足である。
こうして、短期間ではあったものの、
十分に新潟の『食』を満喫することが出来た。
そして今、こうして新潟について考えてみると、
こと『食』について、新潟はまだまだ
全国的に過小評価されているのではないかと思う。
『米』と『日本酒』についてはブランド化されているものの、
新潟の『魚介類』はもちろん、『豚』のうまさも格別である。
例えば、今回は紹介することが出来なかったが、
新潟の『カツ丼』は、なんと卵でとじておらず、
特製ソースに漬かった小ぶりのとんかつが
直接ご飯の上に置かれている。
(店によってはご飯の中にもカツが隠れて入っている)
初めは驚き、食べるまではこの食べ物を否定していたが、
いざ食べてみると、
逆に豚のうまさをより味わうことが出来てとても美味である。
また『観光』においても、今週発売の週刊誌によると、
『天地人』直江兼続の出身地ということもあって、
食材が豊富な魅力ある場所として新潟への観光誘致アピールを
現在官民をあげて画策しているそうである。
ついに近々、
満を持して、
新潟ブームが来るかもしれない・・・
そんな期待を感じることの出来る小旅行であった。